子どものこと

養育費は誰のため?

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未成年の子がいる場合、離婚の際に養育費はとても大きな問題です。

統計によると、母子家庭の約2割が養育費を受けていないということです(平成23年全国母子世帯等調査/厚生労働省)。

母子家庭の貧困が問題視されていますが、もらえるはずのものがもらえていない現状が、その大きな要因ともなっていると思われます。

では、そもそも養育費とは何なのでしょう。そしてどんな風にもらうことができるのか、解説していきます。

そもそも養育費って何?

養育費とは、未成熟の子の生活費であり、子を引き取らなかった親が、監護者(子を引き取り、子の日常的な世話をする人)に支払う金銭のことを言います。

 養育費を受けるのは、子の権利であり、その支払いは親の義務です。たとえ離婚していても、子にとって、親であることには変わりなく、親は子が成長するうえで必要な生活費、教育費などの費用を負担する義務があります。

 支払う先が、直接には元パートナーになるので、「憎らしいあの人に、金銭を支払うなんて…」と、感情的に抵抗を感じる人もいるかもしれません。

 相手のための費用ではなく、あくまでも子のための費用であるということを監護する側もしない側も肝に銘じておく必要があります。

 子のための費用ですから、子が成長するまで支払いは続きます。ですから、たとえ子を引き取った側の親が再婚したからといって、直ちに養育費の支払いを停止してよいものではありません。

養育費を支払う義務は「生活保持義務」といって、これは、ただ単に最低限の生活ができればよいのではなく、自分と同程度の生活を子供に保証しなければならないというものです。

自己所有の家屋には住んでいたものの、失業し、住宅ローンなどの負債を抱え、月々の返済も自分の親に頼っていたという状況で、養育費の支払いを拒否した父親に対し、たとえ負債を抱えていたとしても、自己の生活が維持でき、負債の弁済も(親がかりとはいえ)行われているのであれば、未成熟の子の扶養義務を免れることはできないとした裁判の事例もあります(大阪高等裁判所/平成6年4月)。

単に、無職だとか無収入だとかいうことは、子に対する養育費を支払わないことの理由にはならないということです。

また、たとえ自己破産しても、養育費は免責されません。自己破産すると、借金は帳消しになりますが、養育費の支払いは、帳消しにはなりません。つまり、自己破産しても養育費は支払う義務があるのです。

 

いつまで養育費は請求できる?

養育費は、別居や離婚などで、一方の親が未成年の子を養育していて、他方の親に子を養育せよ、と要求できる状態が始まった時に請求できます。つまり、別居、離婚などで片方の親が子を引き取った時点から、養育費は請求できます
その終了は、基本的には「子が成人するまで」です。

ただ、大学などへの進学率も高まっていることなどもあり、

  • 18歳になるまで(高校を卒業するまで)
  • 大学を卒業するまで

と、柔軟に取り決めることは可能です。

財産分与や慰謝料とは違い、時効がないので、子を養育する状態が続く限り、請求することができます。

子の監護費用として子の養育をしている親が請求できますし、扶養料として子ども自身が請求することもできます(ただし、未成年なので、実際には法定代理人である親が請求することになります)。

離婚の際に取り決めておくことが一番ですが、離婚時に決めていなかったとしても、離婚後に請求することもできます。ただし、過去の分までさかのぼって請求できるとは限りません。

どのくらい請求できる?

一律に「いくら」ということは言えません。

それぞれの家庭によって経済力も、子どもの学歴に関する考え方も違いますから。

 ・これまでどのくらい教育費や子どもの生活費にかかったか

 ・今後どのくらいの出費が見込まれるか

など、総合的に判断して夫婦で決めます。

どうしても話し合いで決まらないときは家庭裁判所の調停か裁判で決めることになります。
家庭裁判所で、判断の基準としているのが「養育費算定表」と呼ばれるもの。これは東京と大阪の裁判官が研究し、作成したもので、子どもの人数と年齢別に、受け取る側と支払う側の収入によって養育費の標準的な金額を割り出したものです。

夫婦の話し合いの際に、参考にすることもできます。

養育費算定表」(裁判所ホームページ)

また、平成28年11月に、日本弁護士連合会(日弁連)が新しい算定表を発表しました。これは、裁判所の算定表の金額が低額すぎるとして、裁判所の算定表より約1.5倍高い金額を設定しています。

新養育費算定表」(日弁連ホームページ)

養育費について決めること

1.金額

それぞれの家庭の事情を考慮して金額を決定します。夫婦の話し合いで決まらないときは、調停、裁判で決めることになります。

2.支払い期間

20歳になるまでなのか、大学を卒業するまでなのかなど、支払い期間もきちんと決めます。

3.支払い方法

定額の月払いが一般的です。
例えば「毎月○日」までに「●●円」を「△△銀行」に振り込む、というように具体的に決めます。

振込先は親名義の口座ではなく、子の名義にするといいと思います。そのほうが支払う側にとって、子に対しての送金であるという目的意識が明確になって、心情的なわだかまりを抱くことなく支払いに応じることができると思います。

支払いが滞る心配がある場合は一時金でもらうこともできます。
あくまでも双方の話し合いで、どのように支払うのがいちばんよいか決めましょう。

4.その他

例えば子どもが進学を希望している、けがや入院をした、などとして、予想外の出費が必要になる場合もあります。

子どもの事情だけでなく、支払う側の親のほうも、病気になったとかリストラされたなどで、これまでの額面通りの支払いがどうしてもできなくなるということも考えられます。

養育費を増額してほしい、あるいは減額したいという場合、もちろんそうすることは可能です。ただし、二人の話し合いによって、ですが。

このような場合を想定して、「諸事情により、養育費に変更が生じる場合は話し合いにより増減できる」旨の取り決めをしておくことも必要かもしれません。

以上、養育費とは何?ということに関して解説しました。

養育費とは別れたパートナーのための費用ではありません。あくまでも子どものための費用です。

親が離婚ということになって一番のしわ寄せは子どもにきます。その子供が、不自由なく暮らしていけるようにしてあげることが、親としての最低限の勤めではないでしょうか。

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